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理学部理学科地学コースの新田樹生さん、平松義土さん、大学院理工学研究科の川島泰地さんが「日本地質学会四国支部第24回総会?講演会」において「優秀ポスター賞」、「最優秀ポスター賞」、「優秀講演賞」を受賞しました【12月7日(土)】

新万博体育_万博体育足彩-外围平台6年12月7日(土)に徳島大学で開催された「日本地質学会四国支部第24回総会?講演会」において、理学部理学科地学コース4年生の新田樹生さんと平松義土さん、大学院理工学研究科博士前期課程2年生の川島泰地さんが、それぞれ「優秀ポスター賞」、「最優秀ポスター賞」、「優秀講演賞」を受賞しました。

新田さんは、モンゴルの南東部Khoer Dzanに分布する上部始新統Ergilin Dzo層から産出した鳥類の右上腕骨遠位端化石についての分類学的検討とその飛翔能力の推定をおこないました。上腕骨遠位端の形質から、付着する筋肉の発達度合いとそれに対応する現生種の飛行スタイルを比較し、化石種はソアリング(帆翔)を行っていたと推測しました。現生の鳥類は「空を飛ぶ」だけではなく、「潜水」「支える」「求愛」「戦う」「音を出す」など様々な用途で翼を使用しており、用途に特化した翼の構造に変化してきたと言えます。そのため、化石鳥類の飛翔能力を明らかにするためには、筋肉と骨の関係をさらに調べる必要があることがわかりました。

平松さんは、愛媛県宇和島市の高月山花崗岩体にみられる、チャーノカイトと呼ばれる岩石と特徴のよく似た岩石(チャーノカイト様岩)について研究を行いました。チャーノカイトは南インドやスリランカ、南極などの古い時代の大陸地域に産する岩石です。地質時代も形成環境も大きく異なる高月山花崗岩体に、どうしてチャーノカイトによく似た岩石がみられるのか、とても不思議です。このチャーノカイト様岩についての顕微鏡観察や「包有物」の電子顕微鏡観察?化学組成分析結果を中心に、さらに岩体内に著しい多様性が認められた高月山花崗岩体の野外地質調査、岩石記載、化学組成分析の結果とその特徴について、ポスターにまとめて発表しました。

川島さんは、マグマが地下深部でゆっくり冷えて固まった岩石(火成岩)の代表とも言える花崗岩について、「ジルコン」という鉱物と、それに含まれる「メルト包有物」に着目して研究を行いました。大学院理工学研究科で高温高圧実験により作製した試料を、学内外の様々な装置を用いて分析をし、その解析結果からマグマの形成年代、温度、圧力、含水量、酸化還元状態といった様々な情報を読み解きました。このようなマグマ形成環境の「総合解析」とも言える研究は、川島さんが修士研究で新たに挑戦したものですが、その解析結果は、卒業研究以来続けてきた野外地質調査による産状観察から示唆されるマグマ形成環境と整合的なものでした。本研究は、新万博体育_万博体育足彩-外围平台のある松山市の三津浜港からフェリーで1時間少々で行くことができる山口県屋代島の花崗岩を対象としていますが、この新しい研究手法は今後さらに世界各地の花崗岩への応用が期待されています。

受賞した発表タイトル

●新田樹生さん(指導教員:大学院理工学研究科?鍔本武久教授) 
「モンゴルの上部始新統Ergilin Dzo層から産出した鳥類の上腕骨化石」

●平松義土さん(指導教員:大学院理工学研究科?齊藤哲准教授)  
「高月山花崗岩質岩体に産する“チャーノカイト様岩”の岩石記載とジルコン中メルト包有物研究」

●川島泰地さん(指導教員:大学院理工学研究科?齊藤哲准教授)  
「領家帯蒲野花崗閃緑岩の形成環境:ジルコンとメルト包有物からの制約」

指導教員と記念撮影

〈理学部〉